《インタビュー》サスティナブルバッグブランド「ピパチャラ」デザイナー ピパチャラ・ケオジンダさん 日本でストーリー伝えたい エシカルな物作りとデザインの両立 / 繊研新聞社
「ピパチャラ」はサスティナブルバッグブランド。ハイブランドでデザイナーのキャリアを積んだピパチャラ・ケオジンダさんと国連で働いていた姉のジットリニーさんが姉妹で運営している。伊勢丹新宿本店の期間限定店出店を機に4年ぶりに来日したピパチャラさんが、ブランドの取り組みや日本市場への期待について語った。
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――ブランドの特徴は。
伝統技術のマクラメをアイコンとし、全てタイで職人が手作りしています。デザインごとに三つの生産拠点があり、技術継承と地域雇用創出のために、コミュニティーづくりや技術指導に取り組んでいます。上質なイタリア・トスカーナ産のレザーとタイの物作りが融合したバッグを提案しています。昨年には再生プラスチックを使ったコレクション「インフィニチュード」もスタートしました。
――日本市場をどう見ている。
物作りのストーリーや私たちの取り組みを知ってほしいです。日本の方には価値をわかってもらえると期待しています。タイだけでなく、欧米や中国、ドバイなどでも販売していますが、国別でアプローチを変えています。中国ではラメやビジューをあしらったキラキラのバッグが人気ですし、欧州の方は実用性重視です。日本へのアプローチはまだ模索中ですが、時間をかけてファンを作りたい。
――エシカル(倫理的)な物作りとデザイン性を両立するには。
私はデザインを担当し、社会問題への知見がある姉は地域コミュニティー形成や技術指導を一から手掛け、現地でもディレクションしてくれています。最近は欧米でのセレブの使用や雑誌の掲載、有力店での取り扱いなども増え、デザインで選ばれるブランドとしても広がっています。
2023年05月09日更新